アメリカ大学留学の成功のポイント
はじめに
私は、高校を卒業してアルバイトをした後に、ミズーリ州の田舎の4年制大学に留学エージェントの紹介で行くことになりました。しかし、当時の私の英語のレベルは、ペーパー式のTOEFLで320点でした。英検に換算すると4級レベル程度でした。
そんな状況の私が、アメリカの大学をしっかり卒業しようと思った時に、考えたことは、直接4年制大学に入学するのではなく、入学基準の低いコミュニティカレッジ(コミカレ)に入学して単位を取って、4年制大学に編入するというものでした。
私は、色々な町を旅して、最終的にアメリカでNo.1の教育都市のボストンに移り、授業料が一番安いクインシーカレッジ(Quincy College)という市営のコミュニティカレッジ(コミカレ)へと入学しました。そして、2年後には、マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)のボストン校へと編入しました。
ボストンで、学ぶことの楽しさに目覚めて、最終的にはマサチューセッツ大学の社会学部の学部代表として卒業しました。
英検4級レベルの日本人留学生であっても、きちんと大学留学生活をやっていけば、アメリカ人達の中でも代表にまでなれるということを、これからアメリカに大学をする方達に伝えたいと思い、動画で体験を伝えることにしました。アメリカ大学留学の体験動画集は全9章からなっています。どなたでも、お気軽にご視聴可能です。
プロフィール/アメリカ大学の受賞歴
●1975年、愛知県岡崎市生まれ。
●中学、高校と日本の教育で落ちこぼれる。
●アルバイト経験後、英検4級レベル(ペーパー方式TOEFL320点)で渡米。
●アメリカ屈指の教育の町ボストンで学ぶことの楽しさに気づく。
●Quincy College(州内でおそらく最も授業料が安いカレッジ)でリベラルアーツを専攻し卒業。
●マサチューセッツ州立大学ボストン校(University of Massachusetts Boston)で社会学を専攻
●1998年、National Honor Societyの全米の優秀学生に選出される。
●1999年、同大学の社会学部の代表で卒業。
●卒業後、約10年間、メーカーの海外営業などを経験。
●2008年から、グローバル人材の必要性を感じ独立。
➋アメリカの大学の仕組み
1) 日米の大学システムの違いから認識しましょう!
日本の大学の場合、例えば、マスコミ関係を学びたくて●大学・▲学部に入学を希望するとします。そうした場合、まず試験があり、そこで不合格になるとマスコミ関係を学ぶ事ができません。
一方、アメリカの大学は、日本の大学の入学試験がありません。好きな専攻を自由に選べます。確かに、入学後は、課題も多く勉強量も多いです。だからこそ、自分が自由に選択できる事を一生懸命に頑張る必要があると私は思います。
2) 卒業する大学&学部は、出国前に日本で決める必要はない
優秀な学生でも4年間、授業料の高い大学の授業料を支払い続けるのは困難な場合もあるので、コミュニティカレッジ(コミカレ)から4年制大学への編入(Transfer)の制度がアメリカでは確立されています。
日本から留学している学生にすると、金銭的な負担が軽減されるというだけでなく、渡米当初の英語レベルでは到底入学できないような大学にも、着々と実力を付けて編入できる可能性があります。実際、コミュニティカレッジ(コミカレ)からボストンの名門として知られるボストン大学(Boston University)やノースイースタン大学(Northeastern University)に編入された方もいます。
また、日本にいる時に、他人から聞いたイメージだけでどのような地域に4年間以上住むか決定する事は可能でしょうか?実際に現地に行ってみて自分がイメージしていた場所と雰囲気や生活スタイルが違っていたと言って、プランを変更する事はないでしょうか?
例えば、ボストンというと、赤レンガの伝統的な町のイメージがあります。しかし、下記の写真を見るだけでも、異なる様々なロケーションがあります。
現地で、自分の足で回って進学する大学や生活する地域を選定していく事が、より自分の目的に合った留学ができると私は経験から思います。
➌大学留学で重要なポイント
1)アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学を卒業するのは難しくないか?
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学を卒業するには、全て英語だし、リサーチペーパーを書いたりして寝る暇もなく大変だというコメントを色んな場面で聞かれます。私の経験からすると、日本で思われている程苦痛な事はなく、自分の関心あるテーマなので逆に論文を書く事は常にチャレンジングな経験で充実していたといった感じです。もちろん、一般的に知られていないテクニックも色々駆使しましたが・・・(※そのテクニックに関しては後述致します。)
勉強が面白いなんて、生真面目な人だと思うかもしれませんが、実はそうではありません。日本の受験システム(入学前に専攻を決定するシステム)の場合、必ずしも自分の関心のある事を学べるとは限らず、自分の関心外の事を4年間も学んだら日本でもアメリカであっても辛いと思います。
アメリカの大学は、1年生や2年生の時に、色々なコースを取って自分の関心のある学部を考える猶予期間があります。そして学部の選定は3年生に入ってからでも問題ありません。私の場合は、アメリカという異国で生活するなかで、格差や差別など社会に対する疑問が自然と湧いてきて、それを探求したいと思いました。それで疑問に思ったテーマをリサーチすると「Your idea is unique!(あなたの考え方はユニークだ!)」と言われて高い評価を得ました。日本人の物の考え方は、アメリカ人とは異なるので、その特性を強味できるなんて事は日本では誰も教えてくれないでしょう。
まずは、自分がどのフィールドに関心・疑問を持てるのかを知る事が重要だと私は考えます。留学を結婚に例えるなら、嫌いだけどお金持ちの人と結婚したら夫婦生活はおそらく不幸ですよね。学部選択も同じで自分の関心事であれば、勉強するのが、知的に興味深くなれると私は経験上感じました。
自由な空気のアメリカの授業風景
2)学部に関係なく学べる「科学的思考」
私の専攻した社会学部(Sociology Department)というのは、日本では文系に属する学部ですが、アメリカでは社会科学(Social Science)という科学の一種とみられます。
科学的な物の考え方というのは、仮説を立てて実証するという物の見方です。
実は、その考えが全ての学問に通じる事だという事はアメリカに留学してはじめて気付きました。
3) 3つの大学進学の成功エッセンス
1)目標を持つ!
アメリカの大学は、皆から卒業するのが難しいと言われるので、留学のゴールを『何が何でも卒業するんだ!』という事をゴールにしている人もいるでしょう。
卒業に目標を置けば、ひたすら卒業に有利な行動ばかり取るでしょう。帰国後は、実はそれでは不十分です。本来は、帰国後にどうあるかが重要です。なので、もっと先の就職に目標を置けば、目標とする企業が求める知識や経験をつけようとするでしょう。
留学当初は、英語も話せなかった私ですが、10年後には日系メーカーで海外営業をしてヨーロッパやアメリカの取引先と英語で商談することもできました。今、無謀と思える目標を持ってもよいと経験から思います。重要なのは、その目標の為に日々どう行動するかだという事です!
2)卒業に必要なルールを知る
さて、少しアメリカのコミカレ&大学留学の事から離れて、下記の1~25の数を若い順にできるだけ速くサークルしていくという練習をして頂けますか?
集中して丸を付けていくと疲れませんか?なぜこんな面倒臭い事をするのだろうと疑問に思う方もいるでしょう。私は、楽に時間をかけずに1~25までサークルできます。それは、数字の配列のルールを事前に知っているからに過ぎません。(最終ページにカラクリが載っておりますのでご覧ください。)
実は、アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学を経験して知っている人からすると当然の事でも知らない人からすると『なぜこんな事が可能なのだろうか?』という事が沢山存在します。本テキストではそのポイントを紹介致します。
3)感謝の意味を知る
そして、第3のポイントは「感謝」を持って現地の人と接する事です。ここで言う感謝という意味は、単純に他人によい事をされたら「サンキュー」と言う事以上の事を指します。例えば、私の実体験から話をすれば、英会話が殆どできなかった留学初期の頃、語学学校のクラスメートのブラジル人がいつも馬鹿にしてきて、その度に私は何も言い返せずに、悔しながらも、理性で感情を押し殺して黙っていました。しかし、ある日、我慢も限界にきて私は「Stop teasing me, OK! You know what I mean?」(馬鹿にするのは止めないか!俺が何を意味しているか解る?)と感情を込めて大声で言いました。彼はそれ以降、私を馬鹿にするのを止めました。同時に、私は嘘のように英語を話す事ができるようになりました。今となると、私は、彼に馬鹿にされた事が行動できない自分を変えるきっかけとなりました。
長い留学生活の中では、他にも辛くて人に話す事も嫌な事が沢山あります。辛い事をプラスのパワーに変えてしまうマジック、それが感謝です。私もそれに気付くのに何年も時間がかかりましたが。
➍生活面でのポイント
1)価値観の違いを認識する事が重要
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学での生活で感じたのは、個人主義という事が日本人が考える認識とは異なっていた事です。
日本人・・・独断的で、集団の輪を見だすようなイメージ
米国人・・・独立していて、自分の意見をしっかり持っている。
アメリカ人がどこに重要点を置くかが日本人とは大きく異なる点があるという認識が重要です。それは、テキストでは習えず、アメリカ人と肌で接するうちに感覚で認識していくしかないでしょう。留学で成功するか失敗して帰国するかは、アメリカやその他の国の価値観を受け入れるか否かだと言ってもいい程です。
2) 日本の文化や価値観をしっかり持つ事が重要
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学する人の中には、日本の風習が合わないと思ってくる人も少なくありません。アメリカに永住を考えている人は例外ですが、将来、日本に帰国して日本社会で生きていこうと考えるなら、アメリカ人や他の国の人達の考えを吸収するのも大きな成長であると同時に、自国の価値観をしっかり認識するのも同様に重要だと考えます。
ある日本の会社の人事担当者の友人から直接聞いた話が下記にあります。
人事担当:ディスカッションをするので、トピックを皆で決めてくれますか?
留学経験者:はい。解りました。みなさん、どう思いますか?まず、私は●●と思います。・・・
あなたは、この対応を率直にどう受け止めますか?
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学では、自らを主張します。自分が率先して行動するというのは、むしろプラスの事です。しかし、日本では参加している人達の状況や雰囲気を察してから行動すべき文化がありますので、その留学経験者の取った行動は身勝手と周囲に認識されてしまったといいます。
閉塞的な日本社会の中で、率先して行動するのは、今後更に日本社会では求められるかも知れませんが、私の友人が勤める企業の面接時には適切ではなかったようです。
社会に出て、留学生に求められる力というのは、「日本の伝統的な価値」を理解でき「世界とも渡り合える考え方」を兼ね備えた人ではないかと私は思います。
お互いの国の良さをしっかり認識するように心がけると、自然と状況に応じて空気が読めるようになるかもしれません。
3) 日本では習わない「科学的思考」って?
日本の大学の学問の多くは、明治時代以降、西洋から取り入れたものが多い事は事実です。ただし、その核心部分まで取り入れられたかどうかは、私は疑問に思います。西洋で、科学が発達したのは、中世のキリスト教文明が長く人々の考え方を制限し、科学が色々と真実を解き明かす中で、矛盾が生じてきた事が結果として大きな発展へと繋がったと見る人も少なくありません。事実、コペルニクスが地動説を唱え、教会に弾圧され命を落としました。最後に言った言葉が「それでも地球は丸かった」です。その後も、宗教で教える事と科学的な事の矛盾が常に対立する中で、現在にまで至っています。
日本人にとっては、信じがたい事実かもしれませんが、アメリカの理化学系の教科書の末尾には、「これば科学的な理解であり、宗教的なものではない」という注意書きがある程です。それ程、現代においても西洋文明が宗教と科学の間には矛盾をはらんでいるという事です。一方、日本は、独自の文化で発達しており、彼らが科学的な思考を自然に持つのが日本で育った日本人には理解できないかもしれませんね。神道や仏教と科学の教科書が矛盾するという発想は、する方が逆に難しいかもしれません。
これは、私の大学時代に立てた仮説でしたが、このアイデアが面白いという事で、大学の首席にまでなりました。また、この際にも私は、科学的な分析を基に論文を組み立てて実証していきました。
神道や仏教などの独自の宗教観で文化が発達した。
昔から日本でも権力争いはあったが、原因においては、宗教と科学の対立によるものではなかった。
明治以降、西洋の学問を取り入れ教育システムを作っていった。
西洋文化
キリスト教の弾圧で自由な発想ができない時代が続いた。
ルネッサンス時代に科学で抑圧された考えに挑戦した。
過去の科学的な物の考え方が大学システムの基礎になっている。
↓
もしかして、日本人は、西洋の歴史的に発展した科学的な思考の核心部を理解していないのでは? 【仮説】⇒【実証】
【留学準備のポイント】
さて、アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学に留学する前に何が重要なのでしょうか?私も何をやってよいのかさっぱり分からなかったので、アルバイトをして資金を貯める事くらいしかやっていませんでした。アルバイトは、金銭的に留学の価値を認識する上では大切ですが、他にもやるべきことはあったと感じますので、その内容を説明致します。
●アルバイト経験でお金に対する考え方を変えろ!
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学に進学すると、授業が全て英語になり、多くの課題も出されます。普通に考えてもアルバイトをしている暇などないのが現状です。学生ビザでアメリカに滞在している為、通常、アルバイトはできませんが、成績が優秀な留学生は、大学内のカフェテリアなどでアルバイトが許されますが普通の留学生では簡単ではありません。
日本の大学生は、入学したら、あまり授業を真面目に受けないという人もいますが、その分、アルバイトを通じ、社会に出る前に「上下関係」や「礼儀」を学んだりします。そして、お金を稼ぐ事で、お金の価値を知っていきます。
私も、留学する迄の4ヶ月間、工事現場とガソリンスタンドでアルバイトして留学資金の一部を貯めて留学しました。その結果、お金の価値を知る事ができました。必死に朝から晩まで働いても、手にできる金額は8,000円程でした。4ヶ月必死に働いても、4年間の留学資金を考えるとほんのわずかだった事を思い出します。
アメリカ大学留学できる事自体、自分の力ではなく、親の資金がある事を有難く思う気持ちがあるのとないのでは、後の留学生活も全く異なる事になるでしょう。実際、働いた経験がなければ、親の資金を湯水のように使ってしまった留学生の例もあります。語学学校に2年間通ったり、高級車を購入したりする留学生の知人もいました。仮に、留学資金を稼ぐ事がどれだけ大変が知っていれば、そのような無駄を考える事はなくなるのではないでしょうか?
この考え方は、就職活動の時の心構えでも大変重要です。コスト意識のある留学生は、採用する企業にとっても魅力的です。私は経験上、留学する前に、アルバイトで自らがお金の価値を知って留学される事を強くお薦めします。
➎語学力に制限がある中で、大学生活をするポイント
●アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学で高い成績を維持するポイント
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学で単位を取得し進級するには、経験上、モチベーションとテクニックの両方が重要であると感じましたのでその内容を説明致します。
1) G.P.A (Grade Point Average)の基本的な考え方
まず、アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学ではGPA(Grade Point Average、グレード・ポイント・アベレージ)という各科目の成績から特定の方式 によって算出された学生の成績評価値があります。ある一定の数値を満たしていないと卒業や他校への編入ができない仕組みになっています。5段階評価を、以下のように換算し合計します。
•良もしくは優(80 – 89点)・B – 3
•可もしくは良(70 – 79点)・C – 2
•準可もしくは可(60 – 69点)・D – 1
•不可(59点以下)・F – 0
アメリカ大学留学では、必要となるG.P.A.の値を維持しながら所属学部の全必須単位を取得する事で卒業まで到達できます。
実際、留学生に限らずアメリカ人の学生も、この卒業に直結するG.P.A.を維持する事にエネルギーを注ぎます。今回は、渡米時には、英検4級レベルだった私が、英語のハンデを負いながらもG.P.A.を3.72(最高4.0)を維持できた理由を説明致します。今後、進学される皆さまにも参考となる部分もあるかと思います。
2)アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学の授業全体の特性を把握する
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学の授業をカテゴリー別に分類すると「言語系」と「非言語系」に分類されます。そして、言語系の授業を更に分類すると文学のように和訳があるものとアメリカの政治やビジネスのように和訳がないものに分類されます。
上記のカテゴリーA~Cのペース配分を考え、授業を取っていきます。当然カテゴリーCの非言語系は英語がさほどできなくても単位が取れます。また、カテゴリーAのような文学の授業でしたら、事前に日本語訳を準備しておくけば高い評価を得る事も可能です。Bの和訳なしの物は、少しずつ分散して取っていきます。1学期にカテゴリーBを4つ取る事はかなり困難です。下記にアメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)での授業の取り方の成功例と失敗例を記載致しますので、比較してください。
※英文学などは、古いイギリス式英語の場合があるので、英語の原文を全て読んで理解するのは困難な場合があります。G.P.A.を維持する事を考えれば、和訳を使わずに評価を下げるより、和訳を使用し高評価をゲットし卒業をより確実にするという考え方もあります。
3)教授の特性を理解する
アメリカ大学留学中、授業は全て英語なので、授業についていくのが大変だと思う方も多いと思います。ただ、実際には同じコースを教える教授でも単位の取得が易しい教授と難しい教授がいます。なので、教授の特性をコース前に、事前に授業を取った人に聞いておく事が高得点を狙う上で有効でしょう。
これは、私がコミュニティカレッジ(コミカレ)の1年生の時受けたU.S. Government(アメリカの政治学)の授業の事でした。当時私のカレッジには、この授業を教えるS教授とY教授の二人がいました。S教授は厳格な人で、英語力にハンデのある留学生にもアメリカ人と同様の扱いでした。彼の厳しい授業は、アメリカ人ですらついて行けずに脱落していました。一方、Y教授はとてもリベラルな人で、彼女は英語力にハンデのある留学生への理解がとてもある人でした。実際、週末には生徒達を自宅に招きパーティをしたりする性格の人でした。私も一度、テストの点が悪く、授業をパスできそうになかった時、ペナルティーなしで追試を行ってくれました。そして、問題もほぼ初回と一緒でした。
4)コミュニティカレッジ(コミカレ)や大学の教授との信頼関係の構築
前述のY教授も、留学生に優しいといっても、全ての留学生に平等に優しいという訳ではありません。ある特定の人には優しく接してくれました。それは、熱意があり努力をしている学生だけです。たまたま、アメリカ人ではないので英語ができないが、アメリカに生れていれば問題なく授業を受けられていただろうと思われればよいでしょう。
5)コミュニティカレッジ(コミカレ)や大学での講義を録音して聞き直す習慣を付ける
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学での授業の英語のスピードは、アメリカ人を対象にしているので語学学校の先生のものとは比較にならない位速いでしょう。おそらく、はじめは一度聞いただけでは殆ど何を言っているか聞きとれないです。使う単語にしても沢山聞いた事のないものが出てきます。
なので、コミュニティカレッジ(コミカレ)の1年生の時は、私の場合はレコーダーに殆どの授業の講義を録音しておきました。一番前に座ったもう一つの理由は、最も録音した教授の声が鮮明に再生できるということもありました。
基本、教授はテキストに添った内容を授業で説明しますので、事前にテキストに目を通しておけば、理解度もアップします。
“That’s important point「そこは重要なポイントです。」”などと教授が言った前後は、何度も聞き直し、理解できるまで聞きます。
それでも解らない時には、コミュニティカレッジ(コミカレ)の授業後、残って質問して、さらに限定された重要ポイントを録音しておく事も有効です。実際に殆どのアメリカ人は、授業と共に帰ってしまいます。ここで言いたい事は、英語力がアメリカ人より劣っていても、プラスαの行動で学力はしっかりカバーできるという事です。
➏リベラルアーツ(一般教養課程)での実践点
1)ページ数が多く、文語表現の多い文学(Literature)コース
2)数学などの非言語コース
3)歴史、政治、心理学、社会学の入門コース
4)選択教科は、編入を考えてコース選択を
➐アメリカ大学留学で高い評価を得る論文のポイント
1)リサーチペーパーの書き方
私は、コミュニティカレッジ(コミカレ)に入学したばかりの頃、はじめて自分が書いた社会学のリサーチペーパーを提出しましたが、なんと評価がD(下から2番目)でした。今思い出すとおそらく日本の高校生の読書感想文を英文にした程度のもので、更に文法の間違えがあったものだと思われます。
なので、2度目に書きなおしたリサーチペーパーは、アプローチを変えて、テーマに関するプロの書いた本の内容を基に再提出しましたが、今度はもっと悪いF(最低評価)でした。
いくら内容が正論でも、自分の考えが含まれていないので、これは私のリサーチではなく他人のものだから評価を与えられないと言われました。同時に、「あなたにはScientific Approach(科学的なアプローチ)が求められる」ともアドバイス頂きました。
科学的とは、自分の決めたテーマに対して仮説を立て、その仮説が本当であるかを色々な角度から調査して実証します。そして、最後にそのデータを基に結論付けるというものです。
注意)コミュニティカレッジ(コミカレ)の開始当初、自分では、科学的なアプローチだと思っていても、教授の立場からするとそれが単なる感想文や他人の内容に影響された文章に過ぎないという事が多いかもしれませんが、論文の宿題を多くこなす事で変化するでしょう。
2)高い評価を得るリサーチペーパーのコツ
アメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学へ進学すれば、論文を書く事が好きであれ、嫌いであれ評価のウェイトが大きいので避けては通れない道です。私も含め、日本の教育では、文章を書く事が大きな評価の対象になるという経験がなかったので戸惑う事が多いと思います。そこで、英語も得意ではない、文章も書くのが得意でない人がどのようにきちんとしたリサーチペーパーを書けるまでに至ったかを解説致します。
コミュニティカレッジ(コミカレ)から編入した4年制大学3年の時は、National Golden Key Honor Societyというアメリカの優秀学生の協会メンバーにマサチューセッツ州立大学の代表の1人として選出されてしまいました。
National Golden Key Honor Societyの表彰状
私の場合では、リサーチペーパーのテーマを「東洋と西洋の対比」という構図に持っていきました。教授は、西洋の事は知っていても東洋の事はあまり詳しくありません。私にしてみると生れも育ちも東洋なので、自分にとってみれば当たり前の視点が教授に取って新鮮で大きな発見だったに違いありません。
あと、もうひとつ評価される要因を考えるなら、本当に興味がある事を題材に選んだ事です。本当に興味のあるテーマなら、自然と調べたくなるものです。私は、アメリカ人の若者がマリファナ(大麻)を気軽に使う事が理解できなかったので、日本人の学生とどこが違うのかをテーマに選び研究しました。日本やアメリカの関連文献を読んだり、直接アメリカ人にインタビューしたりしましたがとても充実していた事を覚えています。最終的には、アメリカ人のドラッグを使用する若者の中には、他人には言えない複雑な家庭事情や将来への不安あると解りました。
3)チューターの上手い活用でエッセイに質が決まる
私の経験上、日本語で考えている事を英文に訳すと伝わらない事が多くあります。また、誤解されて伝わる事もあります。
自分の考えを的確に伝えるのに役立つのがチューターサービス(Tutoring Service)です。教授やアメリカ人の学生に、英文エッセイを添削してもらえるサービスです。アメリカの多くのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学には、チューターの先生を予約するシステム(無料)がありますので、英作文に自信のない方は利用するとよいでしょう。また、ボストンのような学術都市には、ハーバート大学やマサチューセッツ工科大学などのトップスクールがあるので、それらの大学の在校生や卒業生もチューターのサービス(有料)を提供しているケースもあります。クオリティーの高いチューターの先生と信頼関係を築く事も高いクオリティーのエッセイを目指す方には重要なポイントだと私は考えます。
下記は、ある留学生の方の論文をプロのチューターが添削した物です。赤字が削除された箇所で、緑字が追加された箇所です。見ておわかりのように、黒字のオリジナルの箇所が殆どありません。
【留意点】
チューターを利用する場合は、原理原則として、アメリカの大学の授業を受ける教授が当サービスを利用する事を許可した場合のみです。また、チューターによって直された内容については、あなた自身が100%文章の構造や単語を理解できる内容である必要があります。
実際に、プロの質の高いチューターが直した文章は、一般的な留学生が書ける以上の文章構造になる可能性があります。留学生が新聞記者のように洗練された文章を書いていたら、きっと「これは、あなたの文章ではないですね?」と教授に言われかねません。
多くのアメリカの大学の教授のクラスでは、授業後に宿題として持ち帰れるリサーチペーパーとクラス内でエッセイを書きなさいと言われる場合の2種類があります。持ちかえった文章とクラス内で書く文章にあまりの開きがあると、自然と教授は、誰かにリサーチペーパーを書いてもらっているのではと疑う可能性もあります。
アメリカ人のチューターに依頼し、いくら素晴らしい文章に直してもらったとしても、あなたが英語の構文として、完全に理解でき再現できる物に留めておく必要があるでしょう。これは、私が常に行った事なので、私の意見でしかありませんが、各自、チューターを利用する際は、その辺りの頭も使った方がいいと思います。
➑就職活動、そして社会人へ
1) 留学経験を生かし自立する事
アメリカの大学に留学すると、勉強が忙しかったりして卒業後の進路を考えるのは二の次になってしまう可能性もゼロではありませんが、それでは本末転倒です。留学の本来の目的は、日本ではできない貴重な経験を外国でする事で、自立して社会で活躍する事でしょう。仮に、日本か世界か、会社員か起業家かは別としても、自分の力でたくましく生きていく事が必要です。
その自立して生きて行くという意識をどの時点で持つかが、アメリカの大学卒業後の人生を大きく変えるという事も認識しておくとよいでしょう。
まずは、毎年10月にマサチューセッツ州のボストンで開催されるボストン・キャリア・フォーラムに大学に入った年から参加してみるのも手です。実際に、アメリカの大学に在学しているうちから社会に出たらどのような事が求められるのかという事を充分に肌で感じる経験は大きなプラスになるでしょう。
アメリカ大学留学中の日本人留学生が終結するボストンキャリアフォーラムの会場風景
ここでのポイントは、仮に同じ能力の人でも、就職に対する準備を前段階でしている人としてない人とでは、社会人になって大きな差が出るでしょう。下記の図解を参考に、あなたなら、どのような就職活動の動きをするかを考えてみましょう。
2)「変えられる物」と「変えられない物」を客観分析する!
アメリカの大学留学を目指す人であれば、知名度の高いハーバード大学やMITに誰もが憧れるでしょう。ただ、英語レベルが出国前に皆無の人が1年の英語の勉強でそれらの大学へ入学し卒業するのは至難の業だと私は考えます。
ただ、ビジネスでは、『大学の知名度=社会で評価されるか否か』は必ずしも一致しないという事実もここにあります。私の知っている実例ですが、州立大学で地理学を専攻した学生と名門ハーバード大学で英文学を専攻した知人を知っていました。地理学を取得した学生は、携帯電話などで使われるGPSに関心があり、2年生の時からボストン・キャリア・フォーラムに参加し、IT企業の人事に自分の研究の事を熱く語っていました。そして外資系IT企業へ就職しコンサルタントとなりました。一方、ハーバード大学の学生は、本当に自分が追求したいシェークスピア研究の研究に没頭しました。しかし、なかなか彼の研究を認めてくれる企業が見つからずハーバードの大学院へ進みました。
アメリカ大学留学するという事は、英語力や資金額にも限りがあるものですので、条件の中でいかに自分の価値を高めていけれるかという事が重要です。社会が求める物は、単純に
・これまで何をやってきたか?
・これから何ができるか?
と言ったシンプルな事ではないかと思いませんか?
・将来の目標
・日々の行動
・在籍するアメリカの大学の専攻学部
・学部での研究テーマ
【変えられない物】
・卒業するアメリカの大学のランキングや知名度
・親の出資できる留学資金の上限
アメリカ大学への留学における「正しい決断」というのは、あなたのゴールによって決まるものだと思います。あなた自身の目標に向かって前進してください!
➒まとめ
多くのアメリカのコミュニティカレッジ(コミカレ)や4年制大学への進学を検討される方が、英語が苦手な自分が本当に授業についていけるのか心配されている事でしょう。ただ、英語がアメリカ人のように母国語ではない点は、変えられない事実である一方、英語ができない事によって生まれるプラスの部分も無視できないでしょう。
私は、英語ができなかった結果、アメリカ人が1度で止めてしまう文法のチェックを何度も繰り返し、普通のアメリカ人が発想しない事を発想しよい結果がでました。
あとは、アメリカ人の学生や先生から多くを学びました。留学している時は、単に辛いだけと思える事が多いです。しかし、会社員時代に挫折しかけた時や、後に起業した時の困難にも、アメリカ大学留学の経験が大きな力になっています。皆さんも、アメリカの大学生活で色々経験してください!
【上記の回答】
A⇒B⇒C⇒Dの順番で若い順番にサークルを付ければ楽にできます!
まとめ
このページでは、色々な側面からボストンの大学留学の魅力を紹介しました。
ボストンへの大学留学に興味のある方は、ぜひ、無料ボストン留学ガイドブックをご請求くださいませ。
より、深いボストンの魅力をお伝えいたします!