今回は、名門ハーバード大学の学生街にあり、授業の質で評判の高いThe New England School of English(以下:NESE)を訪問し、ディレクターのマーサ・ホールさんへインタビューをしてきました。同校の創設者のアナ・シャインさん同様、 マーサさん自身もハーバード大学の大学院で教育学を学ばれた情熱的な教育者です。このインタビューを通じNESEの教育の魅力に迫ってみました。

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名門ハーバード大学の学生街の一角にあるNESE

小松: 本日は、ありがとうございます。NESEのあるハーバードスクエアの周辺は、ハーバード大学のキャンパスもあり、そのアカデミックな雰囲気が魅力的ですね。

マーサ: はい、私達NESEの学校の周辺は、伝統的なアメリカの文化がある一方、クリエイティブで革新的な発想を持った学生も多くいて、ボストン周辺でもとてもユニークな地区だと思います。

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NESEの教育について語るマーサ・ディレクター

小松: 高い評価を得ている学校ですので、ニューヨークやLAなどにもキャンパスを作っても不思議ではないと思うのですが、ボストンにこだわる理由はあるのでしょうか?

マーサ: 私達の目指す教育のゴールは、拡大する事ではありません。このハーバードスクエアのキャンパスで学ぶ留学生の方々に、教育の上での満足に多くのアテンションをあてています。沢山の留学生を集めるための大々的なマーケティングは可能かもしれませんが、私達は、「ビジネスの拡大」より「教育の質」にフォーカスを当てています。

小松: 量より質に重点を置いているNESEの方針は面白味を感じます。より具体的に、NESEの教育のクオリティに関してお聞かせいただけますか?

マーサ: はい。NESEの教育は、「先生が生徒に教える」という一方的な ものではありません。先生は、生徒に英語の知識やスキルは教えられる一方、先生も色々な国の生徒から、文化の違いによる風習や考え方の違いを習得しています。この双方向の学びを継続するという事があってこそ、留学生の方に本当にご満足頂ける教育が提供できると信じています。

私は、20年前、別の教育機関で英語を教えた経験がありました。そこのスタッフも生徒も本当に素晴らしかったのですが、私にはひとつ、物足りない事がありました。それは、私が教えている授業が生徒達にどの様に評価されているのかが全く判らなかったのです。NESEでは、20年以上にわたり、セッション中に、先生の教え方についてのレビューシートを全クラスで生徒達に記入してもらっています。そして、それをもとにNESEのスタッフも先生の教え方をチェックします。また、経験の浅い先生、深い先生やスタッフが定期的にミーティングを開き、どの様にしたらより深く生徒達とコミュニケーションができるのかを前向きに話し合い、「気付き」を得ているのです。

この様な先生の質の向上をしっかりやるには、今の学校のサイズであったとしても簡単なものではないというのが私の考え方です。

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NESEの授業風景

小松: なるほど。NESEが生徒から高い評価を得ているのは、長年に渡るこの様な地道な先生の教え方のクオリティを高める努力があったのですね。ここで、具体的な例を教えて頂けますか?

マーサ: はい、以前、ブラジルから来た生徒が、スタッフに「My teacher is always unfriendly to me! So, please change my teacher!! (私の担当の先生は、いつも私に対して不親切なのです。だから先生を変えてもらえますか?)」とかなり強い口調でスタッフに訴えてきました。

そこで、私達は長い経験のある先生やスタッフを交え、ミーティングを開きました。彼は、アジアの国で英語を教えた経験はありましたが、ブラジルの様なラテンの国での経験はありませんでした。アジアでは、挨拶は「お辞儀」や「握手」が主流かと思いますが、ラテンの国では「ハグ」や時には「キス」が挨拶では用いられ ます。私達は、指摘を受けた先生と、時間をかけ、文化の違いによって「心地いい(comfortable)」と感じる距離が異なる事など文化的背景をシェアしました。その後、問題は見事に解決されました。

小松: その様なスタッフのサポートがあると、生徒は嬉しいですね!教える側も、各生徒たちの文化の背景を学ばないと、本当に生徒が満足する教育はできないのですね。

マーサ: はい、まさにその通りです。

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先生と写るNESEの生徒達

小松: では、今度は日本人の留学生についてご意見を聞かせてもらえますか?

マーサ: 経験上、日本人の学生は学ぶ事に対して真剣な人が多いと感じます。相手が話すことに対して、最後まで一生懸命に聞こうとする姿勢を持っていると思います。他の国の生徒の中には、人が話している途中でも遮って話しに入ってくる人達も少なくありません。ここは、日本人の方々の素晴らしい所です。一方、自分の考えを表現するという事に関しては、苦手意識を持っておられる方が多い印象を受けます。

小松: 確かに、日本の英語教育は、読み書きが中心なので、話すのは苦手かもしれませんね。では、NESEでは、そういった生徒たちに対してどの様に、表現力を身に付ければよいとお考えでしょうか?

マーサ: NESEでは、皆「Mistake is not important; understanding is (間違いは重要ではない、理解することこそ重要だ)」という言葉を耳にします。実際、教室の張り紙にもなっています。普通、誰でも間違えを指摘されるとネガ ティブな感情が生まれると思います。しかし、NESEでは1コマ90分という授業形式を取ることで生徒に多くを発言する機会を与え、「安心して失敗のリスクを取れる環境」を作っています。そんな環境なので日本の方でも、間違いを気にせずにチャレンジできますよ!そして、日本にいる時とはまた違った環境下での語学学習に対する「意識」が変わり、表現力も向上していくのではないでしょうか。

小松: そんな雰囲気で勉強できたら素晴らしいですね。では、NESEの授業の特徴もお聞かせください。

マーサ: はい、NESEの集中英語コースは、①文法、②読み、書き、③リスニングと、スピーキングなど総合的なスキルが学べます。また①~③においてそれぞれレベル分けを行っています。さらに上記に加え同じレベルでも学生が中心のクラスと30歳以上の社会人が中心のクラスが分かれています。その結 果、目的や年齢の近い人達同士が授業後、そして留学後も友達になれるのが魅力です。

また、大学進学を希望する生徒にはTOEFL準備コース、ビジネスで英語を使用した生徒にはビジネス英語コースを提供しています。各生徒の目的によって選択できるのがNESEのコースの魅力も特徴です。

小松: では、最後にマーサさんのNESEに対する想いをお聞かせいただけますか?

マーサ: はい、私はNESEの「学ぶ」事に対する理念が好きです。生徒に 英語を教えている一方、私達も、生徒から「多文化の視点 (Multi-cultural perspectives)」を学び続けています。そして、その学んだ事が将来、留学する生徒の教育に活かせる事はとてもエキサイティングなことだと思っています。

小松: これからのNESEの教育の発展が増々楽しみです。
今日は、お時間を頂き、本当にありがとうございました。

マーサ: こちらこそ、日本からお越し頂きありがとうございました。

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NESEのスタッフとの写真

➡(The New England School of Englishの詳細情報はココ

インタビュー日:2015年1月5日
聞き手:ボストン留学サポート・小松

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