第2章:アメリカの大学の仕組み
1)日米の大学システムの違いから認識する
2)卒業する大学&学部は、出国前に決める必要はない
【動画内容】
次は、アメリカと日本の大学システムの違いについて説明させて頂きます。
まず、一番の大きな違いというのは、アメリカの大学は卒業に重点が置かれているという事です。一方、日本の大学は、入学にエネルギーや努力が必要となってきます。その辺りが一番の違いとなります。
その他の違いもあります。アメリカの大学は、学部を選択するタイミングが、必ずしも入学時である必要がありません。1~2年生は、リベラルアーツという一般教養を取って、その中で、社会学、心理学、政治学などと、色々な尺度から様々な学問を学ぶことができます。その中から、自らが最も深い興味のある分野に気づいていくことができます。
そして、自分が一番やりたい学部を自由に選択することができます。IT、マスメディア、政治学など多様な学部がアメリカの大学にはあります。ただ、一部、医学部などは例外ですが。一般的には、アメリカの4年制大学では、3年次に自由に学びたい学部を選択することができるのが特徴です。
一方、日本の大学の場合は、高校生の時に、進学希望の大学の学部を受験しますよね。例えば、●●大学の▲▲学部に入学が決定したら、その時点から卒業までの4年間は、興味の有無に関わらず、合格した学部の勉強をするシステムです。
そこも、日本とアメリカの大学システムの大きな違いです。
はい、では次は、卒業する大学と学部は、出国前に決める必要があるかどうかというトピックについてお話します。
皆さん、アメリカの大学に留学するなら「この大学を目指して行こう!」と思う方もいるかもしれません。例えば「ワシントン大学へ進学しよう!」とか「ペンシルベニア州立大学へ進学するぞ!」といった感じです。
そして、「私は、ジャーナリズムを専攻しよう!」とか「心理学を専攻しよう!」とか具体的な専攻も日本で果たして分かっていないと、駄目なのかという議論です。
色々、意見が分かれるのです。私の経験では、アメリカに留学して実際に、リベラルアーツの授業を受けてみない事には、私が本当に興味のある分野は分かりませんでした。
最初、私も、アメリカに行く前は、漠然とジャーナリズムを勉強したいとか、コミュニケーション力を付けるためにコミュニケーション学を専攻したいと思っていました。
ただ、2年制のコミュニティカレッジで、リベラルアーツ(一般教養)を勉強していく過程で「ジャーナリズムやコミュニケーション学の方向性ではない」と気づく様になりました。
なので、必ずしも日本にいる時に、すべて大学も学部も決めていく必要はないと思います。
ここで、少し図を見ていただきたいと思います。
ケース1とケース2をご覧ください。
【ケース1】
例えば、日本の様に、●●大学に行きたいという場合には、大学付属の語学学校に入学するのが一般的です。それで、その語学学校で1年なりで、入学レベルをクリアして学部に入るというケースです。
その様な場合、メリットもありますがデメリットもあります。デメリットは、全米に沢山ある大学からの選択肢が狭まってしまうということです。
また、日本にいる時に入学できるレベルの大学に入るという事にもなってしまいます。
【ケース2】
一方、ケース2では現地で進学先の大学を考えていくというやり方です。これは、私がボストン留学中に実践した方法でもあります。
実際に、日本では、進学する大学を決めないでいく。それで提携大学を沢山持つ、語学学校に進学するのです。EFやカプランといった全米に大学のネットワークを持った語学学校があります。また、それらの学校には大学進学のプログラムやプレイスメント・サービスも充実しています。なので、進学前に、それらの語学学校で英語の実力を付けて頂くやり方もあります。
その場合、選択肢が沢山になります。
2年制大学に行くのか?それとも、中堅の4年制大学に行くのか?名門大学を目指すというオプションもあります。これらは、実際に、現地に行ってみないと、その難しさだとかニュアンスが分からないのです。
なので、その時にできる英語のレベルによって、進学先が決まっていくといった形です。
仮に、ボストン大学に進学したいという方がいたとします。
2年制大学でストレートAの成績を取って、ボストン大学に編入できる可能性はあります。
なので、日本にいる時に、進学する大学を全て決めるのは、進路が固まっていいかもしれませんが、選択肢の幅が狭まってしまうマイナス面もあります。
次の図を見て頂きたいです。アメリカ大陸は、とても広いです。日本で北海道から沖縄と言っても、アメリカはその何十倍もあります。
なので、実際に行ってみないと、留学先の雰囲気は想像も付かないです。
私の場合、最初、ミズーリ州のセントルイスという中西部の田舎町に留学しました。
セントルイスは、日本の留学エージェントの方に、日本人比率が少ないという理由で薦められました。しかし、実際に生活してみると、私が日本でイメージしていた理想の留学生活とは全く違うものでした。その結果、私は、より都会でアカデミックなボストンの町へと移り住みました。
最初から「留学生活とは、こんなもんだ!」とか信じこんで、渡米して初日から違うと気づく人は、私だけに限らず、周りの留学生にもそんな人が結構いました。
なので、この写真のように、大学生活は、郊外がいいのか、それとも学園都市や都心のダウンタウンがいいのか等、アメリカ留学中に検討したらよいと思います。
実際に、提携大学を持つ語学学校に行っている中で、授業後や休日を使って、進学しようか検討している大学をいくつか訪問してみるとよいです。また、提携大学の担当者が、語学学校に訪問するケースもあるので、その様な機会を利用して、色々と大学の事を聞いてみるのも素晴らしいです。
実際に労力を使って、自分にとってベストの進路先を探し出す努力は、将来にもプラスになります。
その様なやり方をして、私の場合も、全く英語ができない状態からアメリカの大学へ進学して学部代表に選出された経験があります。
皆さんも、ぜひご自身でどの様に進学されるかを考えてみられてもよいと思います。
では、次回もよろしくお願いします。