第5章・後半:語学力に制限のある中で、大学生活をするポイント
4)大学の授業全体の特性を把握する
5)教授の特性を理解する事が、語学力をカバーできるポイント
6)教授との信頼関係の構築、「意志」「やる気」は重要
7)講義を録音して聞き直す習慣を付ける。そのやり方とは?
【動画内容】
次は、教授の特性を知ることの重要性についてお話します。
実は、私自身、ボストン近郊のQuincy Collegeという短大に進学した当初、コース名が同じなら、どの教授でも授業は大差がないと思っていました。
しかし、これは大きな間違いでした。
私の実例を、ここでお話させて頂きます。アメリカの政治学(American Government)というコースが、Quincy Collegeではリベラルアーツの必須教科でした。私が受ける予定にしていた学期には、2人の教授がこのコースを教えることになっていました。
はじめに、A教授のクラスの授業を受けていました。そしたら、凄く威圧的な感じの人でした。質問するのも怖い感じの男性教授でした。アメリカ人の学生ですら、その空気を察してか、コース開始早々、止めていく人もいました。
私も、A教授のクラスは無理だと思って、B教授のクラスへ変更手続きをして移りました。
私は、アメリカの政治に関しては予備知識がなかったので、正直、B教授であっても難しかったです。当初、私は、政治学のテストの試験でCかDのテスト結果を出してしまいました。
その時、私はB教授にお願いして、追試を受けさせてもらいました。その結果、スコアもよくなり、最終的にはよい成績でこのコースをパスすることができました。
ここで、私がお伝えしたいポイントは、事前に、教授の特性を把握しておくことが重要だという事です。
私がQuincy Collegeに在籍していた頃、よりGPAを維持しやすい教授を見つけるために実践したことを説明します。
基本、アジア系の留学生と仲良くしました。なぜ、アジア系かというと、日本人、韓国人、台湾人の留学生たちは、日本と教育のシステムが似ています。
韓国や台湾の留学生の友達が、「このコースは簡単だったよ。」というと、大方、私にもあてはまりました。
一方、ラテンアメリカやヨーロッパの留学生が簡単だというコースは、必ずしも日本人の私にとって簡単ではありませんでした。
なので、ボストン留学中には、日本、韓国、台湾などの国の留学生達とは、情報ネットワークを作っておかれると役に立つかもしれません。
しかし、アメリカの大学は、教授がいい人だからといって、必ずよい成績が取れるといった甘いものではありません。
正直、私は、在籍したカレッジの一番留学生に優しい教授の授業で、追試を受けたり、授業後に質問をしたりして、なんとか高い成績を取ることができたという感じです。
優しい教授なので、楽してAの成績が取れるということは、絶対にないです!
【大学の教授との信頼関係の作り方】
では、次は教授との信頼関係の作り方について、お話します。
先程のアメリカの政治学(American Government)のB教授なのですが、全てのアメリカ人や留学生の学生に対して、平等に優しいかというと、決してそうではありませんでした。
私の場合、英語も十分できませんでしたし、同じ質問も何度もしていたと思います。でも、アメリカ人の学生以上に、好かれていました。
では、なぜB教授に私は、気に入ってもらえたのでしょうか?
B教授は、人として頑張っている私を応援してあげたいと思ったのだと思います。
実際、私は全ての授業で、この図のように、教室の一番前の教授に一番近い席にしか座りませんでした。
そして、授業が始まる前に、教室に入って、予習をしていました。他のアメリカ人の学生はギリギリかもしくは遅刻して授業を受けていました。
また、授業中には、教授が言ったことは、できる限りノートに書きました。ただ、凄いスピードで講義されるので、しゃべる内容がほとんど理解できない場合もありました。
分からない箇所が多いからといって、諦めずに、わかる範囲でノートを取るようにしました。
実は、それだけではないんです。カバンの中には、ICレコーダーを入れて、授業の内容を録音していました。
そして、授業が終わると録音した講義の内容とノートを復習します。時間がたっぷりあるので、復習すると内容もだいぶ分かります。そして、まだ分からないポイントについては、教授に質問しに行きました。
そうすると「お~、君はいつも一番前に座って頑張ってるね!どうした?」と言った感じで教授が接してくれるんです。
アメリカ人でも留学生でも、きちんと授業を復習して、それでも分からないパートを質問すると、教授も優しく対応してくれます。
私の場合は、さらに深い内容を質問する時は、教授の前で理解できなくてもあとで確認できる様にレコーダーで録音していました。その様にして、試験にでる重要なポイントもかなり、事前に教授から教えてもらった経験があります。
授業中の教授への質問は、英語力が十分でない私にとって、かなりハードルが高いものでした。なので、いつも質問は授業が終わって、教授とのマンツーマンの時間を作ってしていました。相手も私が英語が苦手だと分かっているので、ゆっくりしたトーンの英語で返答してくれました。その結果、より明確な答えをもらうことができました。
ちなみに、アメリカ人の学生の多くは、英語力に問題がないので、私の様に教授に質問したりする必要はありません。なので、授業が終わると同時に教室を後にします。ただ、授業後にクラスに残るのは、きまって日本人、韓国人、中国人など語学にハンディを負ったアジアからの留学生でした。
【ポイント】
日本人留学生が、英語力でアメリカ人の学生と勝負しても勝てません。
しかし、自分の弱味(語学力)を認識した上で、上記の様なチャレンジをすることで、アメリカ人以上の成績を取る事は可能です。
ぜひ、皆さんも、色々な戦略を立てて、英語のハンディを逆に強味にしてボストン留学生活を送ってくださいませ!