第6章・後半:リベラルアーツ(一般教養課程)での実践点
1)ページ数が多く、文語表現の多い文学(Literature)コース
2)数学などの非言語コース
3)歴史、政治、心理学、社会学の入門コース
4)選択教科は、編入を考えてコース選択を
【動画内容】
正直、私は、ボストン留学の前、日本にいた頃、文学が好きではありませんでした。かつて、日本の教育では、文学は国語のテストに出題されたりするものとしか思っていませんでした。
しかし、ボストン留学してカレッジで授業を受ける中で考え方が変わっていきました。
実際に、文学作品を、きちんと読んでいくと、その内容が意外に面白い事に気づいていったのです。例えば、ギリシャ悲劇(Greek Tragedy)は、何千年も前に、ヨーロッパで作られた作品ですが、現代のアメリカ人や日本人留学生の私でも、とても共感するパートがあるんです。
ギリシャ悲劇を読んでいて「ドキッ」とする様な発見が、沢山ありました。その様なポイントをクラスメイト達とディスカッションするのも楽しかったです。
私の場合、カレッジの2年生の前期と後期に世界文学(World Literature)のコースを2つ取りました。2年生だったので、英語も徐々に慣れてきてはいましたが、まだ十分ではありませんでした。そんな中、文学コースの前期がB+、後期がA-を取ることができました。
日本の国語の授業でも、それ程いい成績を取ったことがなかったので、正直嬉しかったと同時に、アメリカの大学でやっていく自信にもなりました。
【和訳ないコースの取り方】
では、次は、心理学、社会学、政治学などのテキストに和訳がないコースの取り方について、お話します。
これらのコースも、前述のコース同様に高いGPAを維持していく必要があります。
まず、私がこれらの授業を受ける前に徹底して行ったことは、教授の特性を把握することでした。
心理学、社会学、政治学などは、沢山の学生達が受けるRequirement(必須科目)なので、先生も3人、4人もしくはそれ以上いるケースがあります。
なので、英語にハンディのある留学生にとって、融通の利く「優しい教授」か全く融通の利かない「厳しい教授」かを調査する必要があります。
その上で、「優しい教授」を見つけた場合は、できるだけ早く、その教授の授業に申し込みをするのをお薦めします。実際に、人気の教授のコースには、多くの学生が殺到するので、申し込み時期が遅れると、「厳しい教授」のクラスしか入れない状況になるかもしれません。
次は、コースの取り方について、お話します。これらのコースは、100%英語でやらなければなりません。ただ、全て現代英語で書かれているので、古典英語の文学のテキスト程、難しくありません。テキストを読む量は多いですが、比較的に読みやすい英語です。
ここで、私が、どの様にテキストを読んでいったかを説明します。テキストを読む際には、ただ、各章の長い文章を順番に読んでいくことはしませんでした。その様にすると、どこを読んでいるか分からなくなってしまうからです。
なので、各章の最後のサマリー(要約)のパートが必ずテキストにはあるので、そこを読んで理解してから各章の本文を読んでいきました。
【筆記試験】
あと、リベラルアーツの教科では、論文提出も重要ですが、高い成績を維持するためには、筆記試験でよい結果を出す必要があります。
これは、私がアメリカの歴史(American History)のコースを受けた時のテストの結果です。94点を取る事ができました。なかなか、いい点かと思いますが、この時点でも、英語が決して十分できたという訳ではありません。
教授は、1時間、凄いスピードで講義をし続けますので、100%聞き取ることはできませんでした。もちろん、解らない英単語も沢山ありました。
そんな状況を、どの様に対策していったかをお話します。
アメリカの短大の筆記試験では、「ひっかけ問題」の類は出題されることはありませんでした。
また、テキストに載っていない難しい問題も、ほとんど出題されませんでした。
実際に出題された内容は、「教授が授業で説明した事」「ハンドアウトで配られた資料」「テキストに書かれていること」の中からしか出されませんでした。
上記のようなポイントをしっかりおさえた上で、テストに臨んだ結果、当初はB-という評価もありましたが、2年生になった頃には、AやA-の評価がメインになっていきました。
本の読み込み、教授の言ったことのテープ起こしの様な作業は徹底してやれば、高いスコアは取れると思います。
【理系コース】
では、次は、理系コースの対策の仕方をお話します。
2年制のコミュニティカレッジでいう理系コースというのは、それ程高度な内容を学ぶわけではありません。日本の高校生レベルの数学、生物学、物理学、化学といった教科を勉強するといった感じです。
例えば、College Algebraという代数学の授業を、最初の学期で取りました。
2X+3=-3X-7
Xはいくつでしょうか?
このレベルの数学の問題を1学期かけて、学ぶといった内容でした。実際に、アメリカ人の中には、上記の様な方程式に苦戦する人達も結構いたのに驚きでした。
ただ、日本人からすると、かなり簡単な部類の数学問題だと思います。
教授の話す英語は、理解できなくても、テストで100点が取れたので、成績はAを取ることができました。
あとは、生物学Biologyのコースも取得しました。日本の高校時代に生物を専攻していたので、この教科ならアメリカでも高い成績が取れると思い選びました。
結果的に、それほど難しいものではありませんでした。日本の両親に高校時代の生物の教科書をボストンの下宿先まで送ってもらいました。日本語も英語も生物はそれほど内容が変わらなかったことを記憶しています。成績はB+でした。
ただ、生物のコースは、レクチャー(講義)だけでなくラボ(実験)のコースも必須でした。1年生の頃、実験の説明をする教授のスピードが速すぎて付いていけずに、Withdrawでコースをドロップしました。レクチャーをすでに受けた後で、ラボを再受講した結果Aの評価がもらえました。
★
こんな感じで、色々なタイプのリベラルアーツのコースを説明させて頂きました。
ただ、対策や選択するコースなどは、各人の目標によって異なることでしょう。
そして、リベラルアーツの教科の中にも、得意分野と苦手分野が存在することかと思います。
アメリカの4年制大学への編入を考慮した場合、いかに、あなた自身の「苦手分野」を決められた2年間の中で克服するかが、成功へのキーだと私は思います。ぜひ、頑張ってください!
★
では、次は、アート系の授業の取り方についてお話します。
アートのコースは、正直、受けるのが楽でした。私の場合ですが。特に準備をすることなく受けました。
アートは、事前に簡単だと分かっていたので、1年生のはじめから取ることはしませんでした。なぜなら、後半の難しい文学や政治学を取る時に、一緒に取ることで、難しい教科ばかりが集中しない様にできるからです。
アートのコースでは、アメリカ人の学生が、いつも絵を描くのに耐えられずに、途中で帰宅してしまう人もいました。ただ、私は、帰れる様な立場ではないので100%出席しました。その結果、教授とも友達の様な感じになれました。
Basic Drawing(基礎のドローイング)ではB、Basic Painting(基礎ペインティング)ではAの評価がもらえました。
アートコースなどは、ぜひ、文学や政治学などの難易度の高いコースを取る際に、安全パイとして選ぶのが理想でしょう。